Z世代の「飲酒離れ」は正しくない、飲む頻度は下げている
――開く機会が減っているので、むしろ出たいという若者の気持ちもわかりますが、Z世代は上の世代よりお酒を飲まなくなっているのではないですか。
稲垣昌宏さん 弊社の2018年度と2023年度を比較した調査では、コロナの影響もあって全体的に飲む機会が減っているのですが、下げ幅が大きいのはむしろ30代男性と50~60代女性などです。20代男女の下げ幅はもっとも小さくなっています。ただし、飲む機会の頻度は下がっています。
つまり、若者の飲酒離れというのはそんなに正しくなくて、飲まない人が増えているわけではないが、飲む頻度は下げているというのが私の見解です。その理由は経済的な要因が大きいのかもしれません。
――なるほど。意外ですが、納得できる見方ですね。
稲垣昌宏さん また、そもそも若者の人口が減少しているので、飲む機会数だけでいうと減っているように見えやすいことが、若者の飲酒離れと言われる要因としては大きいのではないかと思っています。
20代の若者については、飲むこと自体を嫌っているわけではないが、経済状況も含めて、意味のある飲み会を吟味して参加しているという動きではないかと推測されます。