「水位が下がるとここを魚たちが飛び越えます」──。
兵庫県の水族館「姫路市立水族館」が魚の生態を引き出すような展示工夫をしているとして、2025年5月ごろからXで注目され、「考えた人天才」などと絶賛されている。同館に詳しい話を取材した。
「面白い展示の仕方してんな」「ずーっと見ちゃう」
話題になった水槽は約30分間隔で水位が上下する仕組みで、冒頭のような張り紙がされていた。Xでは、銀色の魚たちが水の流れに逆らって泳ぎ、岩場を飛び越えて次々と上流へ向かう姿を映した動画が拡散され、「面白い展示の仕方してんな」「魚ってこんな飛べるんや!魚すげぇ!可愛い!!」「ずーっと見ちゃう」「ひめすいのこの展示本当に好き」「考えた人天才!!」などと好評だ。
20日にJ-CASTニュースの取材に応じた姫路市立水族館の飼育係によると、今回注目されたのは淡水魚の展示水槽だ。川の中流を模していて、水位が上がった状態では魚が自由に水槽内を移動できる。
一方で水位が下がると、3段の階段状に水が流れるようなレイアウトに。水の通り道が限られることで、魚が流れに逆らって段差を飛び越え、自然環境さながらに川を「遡上」(そじょう)する動きが再現されるというわけだ。
数種類の魚が一緒に展示されているうち、遡上するのは主に「アユ」や「オイカワ」。アユは寿命が1年で、春先に生まれて現在は10センチほどのまだ小さい段階。夏に向けてどんどん大きくなるという。
Xの反響は「当館としては狙った通りの反応で、見られた方に喜んでいただけるのは、すごく嬉しいことです」と受け止めた。ただし、魚が大きくなると遡上がやや緩やかになるうえ「生き物なので必ず見れるかは正直分からない」と来館者に理解を求めている。