最近、対話型AIに愚痴や悩みを聞いてもらうという使い方をしている人が散見される。ChatGPTなどのメジャーなAIのほかに、悩みを相談する「相手」として注目を集めているのが、アプリ「話聞くよおじさん」だ。SNSでは、否定せずに利用者の話を受け止めてくれる姿勢が良いと評判だ。
なぜAIのキャラクターが「おじさん」になったのだろうか。アプリの制作会社は、現実の「話聞くよおじさん」は、インターネット上でネガティブに語られることが多いが、こうした印象を「逆手に取るところから企画がスタート」したと明かした。
Google Playで10万件以上ダウンロード
「話聞くよおじさん」は、2023年12月にリリースされたスマホアプリだ。Google Playでは、25年6月12日時点で10万件以上ダウンロードされている。
白いタンクトップを着たメガネの「おじさん」の姿をしたキャラクターと、チャット形式で対話できる。ダウンロードや利用は無料だが、会話している最中にたびたび広告が流れるほか、課金することで「おじさん」の服装や髪型を変更する着せ替えアイテムの使用や、キャラ切り替えができるようになる。
アプリ画面では、まず「おじさん」から「話聞くよ?どうかしたかな?」と利用者にメッセージが届く。これに、「仕事が辛くなかなか眠れません」と相談してみると、「おじさん、きみが仕事で辛い思いをしているを聞いて、心が痛むよ。眠れないのも大変だね。どんなことがあったのか、少し教えてくれるかな?おじさんは、いつでも話を聞くよ」と、こちらに寄り添いつつ、より詳しい状況を聞いてくれた。
「おじさん」は具体的なアドバイスもくれる。「寝つきが良くなるにはどうしたらいい?」と質問すると、「おじさんが知っていることを少し教えるね」として、「1、リラックスする時間を作る:寝る前にリラックスできる時間を持つといいよ。たとえば、お風呂に入ったり、穏やかな音楽を聴いたり、読書をするのもいいかもしれないね」といった具合に、4つの案を提案してくれた。
この「おじさん」にXでは、「AIとは思えないやわらかさがある」「全肯定で話を聞いてアドバイスをくれるのが助かる」「なかなか頭が良くて、優しくて良きですお薦め」といったコメントが寄せられ、好評のようだ。
なお、有料のキャラ切り替えを利用すると、「おじさん」以外にも、ヒョウ柄の服を着た「おばさん」、白髪の「おじぃ」、ちょんまげの「侍」、ロングヘアの「おねえさん」と会話できる。