韓国メディアが、中国の女子バスケットボール選手、チャン・ツーユウ(18)のアジアカップデビューに戦々恐々としている。
「24年パリ五輪では代表入りならず」
チャンは220センチを誇る18歳で、7月13日に中国・深センで開幕する「FIBA女子アジアカップ2025」に、中国代表として出場が見込まれる。
同大会は、8か国のチームが出場し、それぞれ4チームがグループA、グループBに別れ、総当たり戦を行う。
グループAは、地元中国、韓国、ニュージーランド、インドネシアの4チームが属し、グループBは、日本、オーストラリア、フィリピン、レバノンが同じ組となっている。
チャンは24年6月に中国・深センで開催された「FIBA U18 女子アジアカップ2024」で国際大会デビューを飾った。
大型センターのチャンは、圧倒的な高さを武器に初戦から得点を量産し、チームを決勝に導いた。オーストラリアとの決勝戦では、チームは79-96で敗れたものの、チャンは42得点、14リバウンドで大会MVPに選出された。
24年パリ五輪では、代表入りが見送られ、「FIBA女子アジアカップ2025」に出場すれば、年齢制限がない「A代表」デビューとなる。
99年大会以来の優勝を目指す韓国。複数の地元メディアが、チャンの存在に注目している。
「中国国内では226センチから228センチとされている」
韓国3大紙の一角を占める「中央日報」(ウェブ版)は、「身長220センチの18歳、韓国バスケットボールに新たな悪夢」などのタイトルで記事を公開した。
記事では、「国際バスケットボール連盟(FIBA)に登録されたチャンの身長は220センチだが、中国国内では226センチから228センチとされている。チームメイトの高空パスを受け、ジャンプもほとんどせずにゴール下シュートに繋げる。相手選手2、3人に囲まれても子供の腕を捻るように簡単にシュートを決める。さらにパスワークも良く、フリースローも得意だ」とチャンの実力を高く評価し、こう続けた。
「チャンは、韓国女子バスケットボールにとって『悪夢』であり『災厄』だ。中国・深センで開催されるアジアカップで、韓国は中国と同じグループだ。チャンと対戦しなければならない198センチのパク・ジスは『どうにかして防いでみせる』と語った」
地元メディア「OSEN」(ウェブ版)は、「アジアの頂点復帰を夢見る韓国女子バスケットボールに緊急事態が迫っている」とのタイトルで危機感を募らせた。
記事では、「もともと開催国の利点を有する中国が大幅に戦力を強化する。驚異の220センチ18歳が、成人国際大会デビュー戦に臨む。チャンの220センチの圧倒的な身長は、男子プロバスケットボールでも防ぎにくい。ましてや、190センチを超えると長身と分類される女子バスケットボールでは『災厄』に近い存在だ」と指摘した。
中国メディアによると、チャンは小学1年生の時にすでに身長160センチあり、小学6年生の時には210センチあったという。将来的には米国プロリーグWNBA進出の可能性が高いとされる。