プロ野球ロッテで投手としてプレーした小林至氏(57)が、2025年6月15日にユーチューブを更新し、セ・パ交流戦におけるパ・リーグの強さについて、データを用いて分析した。「簡単に言うと、DH制度による戦力差」セ・パ交流戦は今回が20回目の開催となる。過去の優勝は、パ・リーグが14度、セ・リーグが5度。年度別の勝ち越しは、パ・リーグが16度で、セ・リーグが3度と、パ・リーグが圧倒してきた。今シーズンの交流戦は、16日時点でパ・リーグの6球団が上位6位を占め(広島が6位タイ)、セ・リーグ球団が下位にいる。セ・パ交流戦において、なぜパ・リーグがセ・リーグを圧倒するのか。東京大学を卒業し、経営学者でもある小林氏は、「これは明確な数字が出ている」と切り出し、次のように持論を展開した。「簡単に言うと、DH制度(指名打者制度)による戦力差。いくつか数字の分析がされていて、『プロ野球をデータで研究するブログ』というブログに、非常によい、明確な分析がのっている。そのブログを引用すると、DH制を採用しているリーグと、採用していないリーグが試合をすると、その試合でDH制を採用する、しないに関わらず、勝率は(採用しているリーグが)5割3分、(していないリーグが)4割7分になる」現役時代、ロッテで投手としてプレーした小林氏は、自身の経験から両リーグの差について解説した。「統計上、AIに予測させるとDH制があるリーグが10勝8敗」「DHがある試合だと、パ・リーグは普段通り。セ・リーグは、スタメンで出ていない控え野手を起用せざるを得ない。一方で、DH制がなく、投手が打席に立つ試合でも、パ・リーグからすると、投手を除いたベストの8人。9分の8の精鋭部隊が出てくる。どちらのルールでも、DH制をしいているパ・リーグが有利になる」現役引退後、米国に渡り、現地の大学で経営学を学んだ小林氏。かつて大リーグの交流戦でも、DH制によるリーグの相違があったと指摘した。大リーグでは、ア・リーグがDH制を採用しており、22年からナ・リーグでもDH制を導入した。このような背景の中、小林氏は「日本だけではなく、大リーグでも全く一緒。DH制をしていたアメリカンリーグが、採用していなかったナショナルリーグよりも、交流戦は圧倒的に強かった。14年連続でアメリカンリーグが勝ち越した。今はユニバーサルDHになって、アメリカンリーグ、ナショナルリーグともにDH制になった」と説明した。そして、「この構造が変わらないかぎり、パ・リーグが有利なことは間違いない」とし、「(交流戦は)わずか18試合なので、年によって差がある。でも、統計上、AIに予測させると、(DH制があるリーグが)10勝8敗。何度シミュレーションしても9勝9敗にはならないそうです。私も実感として『そうだよね』と思う」との持論を述べた。セ・パ交流戦は、16日時点で71試合を終え、パ・リーグが41勝29敗1分けと、大きく勝ち越している。
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