インドネシアで大規模噴火→日本は冷夏に?米不足おそれる声も 識者「影響ほとんど無い」...理由を詳説

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2条件をひもとくと...1点目は「硫酸エアロゾル」がポイント

   まず1点目は「火山噴火により火山灰(岩石を構成する物質の微粒子、エアロゾル)と亜硫酸ガス(SO2)が大気中に注入され、拡散します」と前提を説明し、次のように詳説した。

「噴煙の広がりが対流圏内にとどまる場合は、比較的短時間の間に降水で除去されるので、火山噴火の影響は時空間的に限られることになります。

一方、噴煙(火山灰+亜硫酸ガス)が成層圏まで届くと、成層圏内では降水がないので、重力落下による除去メカニズムが働きます。重力によって火山灰エアロゾルは2~3ヶ月で除去されます。ところが、亜硫酸ガスは成層圏で水と反応して硫酸(H2SO4)の液滴の微粒子に変化します。この硫酸エアロゾルは火山灰エアロゾルよりも小さく、重力によってもなかなか落下しません。したがって、成層圏に長く滞留します。

1991年のピナツボ火山の噴火の際には2年以上影響が残りました。このように、成層圏に亜硫酸ガスが入って硫酸エアロゾルが形成されることが重要なポイントです」

   なお、早坂氏は雑誌「消防防災の科学148号」(22年)に寄せた記事の中で、「地球の表層すなわち大気、海洋、陸面のエネルギー源は99.9%以上が太陽放射によるもの」と解説している。前述のエアロゾルは地表に届く日射を減らし、結果的に気候を変化させることになるという。気温が低くなれば、降水量も減少する。

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