インドネシアで大規模噴火→日本は冷夏に?米不足おそれる声も 識者「影響ほとんど無い」...理由を詳説

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条件2点目も...。今回は「気候への影響は少ない」

   早坂氏は取材で、条件2点目は「成層圏内の大気循環による物質輸送の特性」が関係しているとした。「成層圏では基本的には東西風が卓越しますが、南北方向には赤道付近から高緯度(北極、南極)に物質が輸送されます」といい、下記のように述べた。

「したがって、赤道付近で大規模な火山噴火があり、成層圏まで噴煙が運ばれると、亜硫酸ガスから形成された硫酸エアロゾルが全球に広がり、長時間滞留するために日射(太陽放射)を遮り、地表面に届く日射量が長期(2~3年)にわたって減少することになります」

   では、今回のレウォトビ火山噴火による日本への影響はどう考えるか。早坂氏は「上で述べたように、日本も含め、長期的影響があるかどうかは、噴煙が成層圏まで運ばれるかどうかということが大きく関係しています」としたうえ、

「今のところ、気象庁の発表では噴煙の到達高度は19kmとなっていますので、おそらく対流圏界面(編注:大気圏の最下層を占める対流圏と上部の成層圏との境界)でブロックされて成層圏まで届いていないように思われます。そうすると、広範囲かつ長期的な影響、すなわち、気候への影響は少ないと思われます。日本への影響も殆ど無いのではないかと思います」

と見解を伝えた。一方で、「インドネシアの火山付近の狭い地域の気象には何か影響があるかもしれません」とみている。

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