たった1粒で命を奪うという強力な合成麻薬「フェンタニル」。この薬物による被害が米国で深刻化している。過剰摂取による死者数は年間7万人を超え、その多くが若年層だ。
「史上最悪」と呼ばれる薬物の流通に日本が関係しているという報道が出て、話題となっている。
キャンディのようにカラフルなゾンビ麻薬
本来、フェンタニルはがんなどの治療に使われる鎮痛薬である。しかし近年、違法に製造された「非医療用フェンタニル」が横行している。
米国では、数年前から比較的安価で、一見キャンディのように見える「レインボーフェンタニル」が10代から20代の若者に広がった。一部では、SNSを通じての販売も横行していたという。
見た目のカラフルさとは裏腹に、一粒で致死量に達する猛毒だ。
米疾病対策センター(CDC)の報告によれば、2022年に合成オピオイドによる過剰摂取死が7万件を超えたという。
また、フェンタニルを路上で使用する人が集まる「ゾンビ・タウン」も点在しているという報道もある。