2025年7月20日投票の参議院選では、自民・公明の連立与党が衆参両院で過半数割れした一方で、参政党など新たな政党が躍進し「多党化の流れ」が一気に進んだ。
自民党内からは石破茂首相の「続投」に疑問の声が膨らんでいるが、世の関心はそれより、「多党化」時代に有効な政策を迅速に打ち出す体制をどう実現するかに移っているように見える。平成の政治改革は、30年前に「小選挙区比例代表制」を導入し「政権交代可能な2大政党」を目指したが、時代は大きな転換点を迎えた。
新たに3政党が誕生、「比例票」に見えた「新興」「老舗」政党の浮き沈み
今回の「比例票」に、「多党化」する政党の浮き沈みが見える。過去最低だった自民党(約1280万票)に続いて、国民民主党(約762万票)、参政党(742.5万票)、立憲民主党(739.7万票)の3党は同じ7議席を獲得したが、立憲が「野党第3党」に沈んだ。新たな政党では、参政党は参院選直前に現職参院議員が入党「議員5人」の政党要件をクリア。この選挙で2議席を獲得した保守党と得票率2%を超えた「チームみらい」が政党要件を満たし、新たに3政党が誕生した。
一方で、与党の公明党は3年前から100万票近く減らし、1998年の再結党以来最低の8議席に。創立から103年を迎えた共産党(286万票)は、結成1年9か月の保守党(298万票)に逆転された。社民党は、121万票でかろうじて「政党」(1議席)を維持した。
ただ、政党の数ばかりが増える中で、「連立政権」に向けて準備する動きや政権ビジョン創りの動きは見えてこない。