北海道・札幌では2025年7月24日に最高気温が35.3度を記録し、今年初の「猛暑日」となった。現地では、サンドイッチ専門店が「テイクアウト」を休止する動きもでているという。詳しく聞いた。「食品衛生上・お客様の安全の観点から」24日、テイクアウト休止の措置を取ったのは、地下鉄の大通駅に直結した1975年創業のサンドイッチ専門店「さえら」(札幌市中央区)だ。テイクアウトメニューでは、たまごやメンチカツといった定番の具材のほか、「たらばがにサラダサンド」「スモークサーモンサンド」といった多様なシリーズを展開している。Xを通じて、「ご利用される予定だったお客様にはお詫び申し上げます。記録的な暑さでテイクアウトにつきましては色々考える所がございますが、弊店においては『猛暑日(に迫る)予報の日は休止』とする場合がございます」と伝えた。投稿に添付したメッセージ画像では「食品衛生上・お客様の安全の観点から」と理由を説明。店内利用時に食べきれなかった料理の持ち帰りも止めるとし、理解を求めている。投稿は注目され、「仕方ないですよね、苦渋の決断だったかと思います」「連日暑すぎるのでテイクアウト中止にするの最善かと思います」「暑すぎると傷むのが早い」「懸命な判断です」などと、店の対応が受け入れられている。なお、「さえら」は25日も同様にテイクアウト休止をXで呼びかけ、「明日以降は暑さも落ち着くようなので通常営業に戻る予定です」としていた。「さえら」の田村代表は25日にJ-CASTニュースの取材へ応じ、夏場のテイクアウトに関して「やはり手元から、我々の目の届かないところに行ってしまうものですから...どこかで線引きしようというところで、うちの店に関しては35度、『猛暑日』予報が出てきたらテイクアウトそのものを止めてしまうことにしました」と改めて説明した。「地下を歩くお客さんが増えてる」恩恵に期待も札幌では猛暑日自体がまれで、数年前にも同様の措置を取ったことはあるものの「あるとしたらお盆前後」。しかし今年は1か月ほど早く、7月時点でこのような事態に。今後も猛暑日予報がありそうだとして、その場合、今年に関しては全てのテイクアウトを休止するとしている。加えて、「外国人の比率も高まっていますので、持って帰ってそのままホテルの冷蔵庫に入れて明日の朝に食べるとか、そういう人がいないとも限らない。やはり今回は危ないねということで止めました」とも考えたという。田村代表は、テイクアウトをやめたことで売り上げは2割ほど減ったと明かしながら、「ただそれには代えがたいものなので、安全に召し上がっていただくというのは」と思いを伝えている。今のところ、暑さによる店への悪影響は他になく、「野菜に関しては出来る限り北海道産を使うので、今後、野菜の生育とか...今年は雨も少ないのでそういった面は心配です」。店からほど近い大通公園では夏の名物、ビアガーデンが始まったばかり。例年は地下が暑いために地上を歩く人が散見され、地下3階に店を構える「さえら」も夕方の客が減少傾向だという。ただ今年の場合は「地下を歩くお客さんが増えてるので、そういった方に少しでも来ていただければ」とし、暑さの恵みに期待している。
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