2025年8月7日に行われた第107回全国高等学校野球選手権大会(甲子園大会)1回戦で、部内での暴力事案が報じられている広陵高校(広島)が初戦を突破した。SNSでは、試合後の中井哲之監督によるインタビューでの発言が波紋を広げている。「我々は粛々とやるしかありません」広陵高校をめぐっては、SNSで同校野球部員が上級生に殴られるなどの暴力を受けたとする情報が拡散。8月5日には産経新聞が、広陵高校が1月に暴力事案があったことを認めたと報じた。寮での禁止行為をした当時1年生だった部員に2年生が「指導」として暴力をふるう事案があったという。日本高校野球連盟(高野連)には報告、厳重注意処分を受けており、今回の甲子園大会を出場辞退する意向はないとしていた。高野連はJ-CASTニュースによる6日の取材に対し、「3月に審議し、硬式野球部に対し厳重注意の措置をした事案」だと説明していた。7日の試合では旭川志峯高校と対戦し、3対1で勝利した。SNSで注目を集めているのは、試合後にNHKが放送した中井監督のインタビューでの発言だ。「(選手たちには)『後半勝負』っていうようなことを言って(いた)。グラウンド整備などが終わるとよく流れが変わるもんですから。日頃からそういうことを言い続けていました。よく頑張ってくれた」と選手らをねぎらった。「難しい状況での試合でしたが」との質問に対しては、「高校野球ドットコム」によると、「学校から発表された通りで、出場を認めていただきましたので、我々は粛々とやるしかありません」などと説明した。寮内にスマホを持ち込まないのが「伝統」各社の報道を総合すると、選手らの様子については普段との違いがあったとも認めた一方で、選手らとはトラブルについて改めて話をすることはせず、試合に臨んだとした。監督から世間の状況を伝えることもしていないという。なお、同校野球部には「寮内に携帯電話を含む電子機器を持ち込まない」という「伝統」があるという。デイリースポーツは24年、中井監督自ら「スマホ解禁」を提案したものの、部員たちは「いらないです」と応じた、と報じていた。選手の親が連絡するための白電話が廃止されたことにともなう提案で、結局は21~22時の1時間に限ってスマホの使用が可能になったという。今大会でも、例年通り選手らはスマホを持たず甲子園入り。SNSで過熱する批判について、選手らが目にすることはない状況だという。 こうした対応をめぐり、SNSでは球児ではなく大人の責任を問う声が上がっている。 「大会終わって今のSNSの事知ったら皆気絶しそう。大人が子供守る動き全くしてないの本当切ないです」
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