サッカー元日本代表のMF・本田圭佑さんが2025年8月8日、日中戦争時に旧日本軍が多数の中国人を殺害した「南京事件」をめぐる見解をXに書き込んだ。だが、これには批判が相次ぎ、翌9日に訂正。素早い対応に称賛の声が寄せられている。
石原慎太郎氏「40万人殺したという証拠を出してもらいたい」
本田さんは8日、Xに投稿された元東京都知事の石原慎太郎氏と、河村たかし衆院議員による記者会見の様子を切り取った動画を引用し、「僕もそう信じてる」と共感した。
動画では、石原氏と河村氏が南京事件について語っていた。
南京事件は1937年12月13日に起き、中国側は犠牲者数を「30万人」と主張。日本側は2010年に公表された日中の有識者による歴史共同研究委員会の報告書で、「20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている」としている。事件の有無や規模をめぐっては議論が続いており、否定派もいる。
動画では、記者から「南京事件がなかったとの発言があったが」との質問を受けた石原氏は、「日本軍がわずかの占領の間に、あの武器体系の中で40万人殺したという証拠を出してもらいたい、抗議するなら」と主張。
「私は本田勝一(元朝日新聞記者)という人間と長い間議論してきてね、結果彼は最後に折れてね」として南京事件を否定した上で、中国軍同士での殺し合いがあったなどと語った。
河村氏は、「日本人がですね、南京で30万人(殺した)。アメリカの教科書では40万人と書いてありますけども。もし市民を本当に殺害したならね、本当だったら日本人が全員で南京行って土下座しても許されませんよ、これ。だけど違うんだったら、ひとこと議論させてもらってもいいじゃないですか」と議論の余地はあるとし、「『i'm sorry』から、『I think』へと転換する時代じゃないですか?」としていた。