日航ジャンボ機事故から40年、原因に関心薄かった政治部記者たち それでも会見で飛び出した質問とは

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事故から25日後にはNYTが「修理ミス」指摘

   事故原因をめぐっては、航空事故調査委員会が1987年6月、事故は後部圧力隔壁の不適切な修理に起因するとする報告書を公表している。

   圧力隔壁原因説は、事故直後から指摘されてきた。例えば事故から5日後の85年8月17日の朝日新聞には、

「日航墜落機、飛行中に隔壁破裂? 機内空気の噴出示す破片数枚を発見」

   の見出しで記事が載っている。

   圧力隔壁の「修理ミス」に初めて言及したのは米ニューヨーク・タイムズだ。情報源は事故現場で調査に携わった米国家運輸安全委員会(NTSB)関係者で、事故から25日後の9月6日、「日航機事故に手がかり」の見出しで、

「事故を調査している当局は、事故の原因となった可能性のある客室後部の不適切な修理の証拠を発見した」

と、「調査関係者の話」として伝えている。修理は、1978年の「しりもち事故」の際に圧力隔壁に対して行われたものだ。その2日後の8日付NYTの記事では、

「ボーイング社が、客室後部の修理に不具合があったことを認めた」
「ボーイング社は『この修理が事故の原因となったかどうかを判断するため』に、さらに分析が必要だと付け加えた」

などとボーイング社が修理ミスを認めたことを報じている。この報道が原因究明の方向性を決定づけたとの見方もある。

   ただ、この結論を疑問視する向きが今でも一部にある。自衛隊が撃墜したとする主張などだ。そのひとつが作家・青山透子氏の著書「日航123便 墜落の新事実」(河出書房新社)で、自民党の佐藤正久参院議員が2025年4月10日の参院外交防衛委員会で「陰謀説」として問題視。中谷元防衛相が

「自衛隊が墜落に関与したということは断じてない」

などと全面否定している(著者の青山氏は、佐藤氏の発言が「表現の自由、言論への弾圧」だとして反論する文章をウェブサイトに掲載している)。JALは5月2日に開いた記者会見で、鳥取三津子社長が、これまでに示された見解を「しっかりと伝えていくことが重要」だと指摘。野田靖総務本部長も

「私どもとしては、この大変な事故を起こしてしまった当事者として、事故調査委員会の方で出された事故調査報告書、ここに書かれていることが全てという認識だ」

と応じている。

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