靖国神社「公式参拝」は、なぜ1回しか行われなかったのか 「中曽根文書」会見記録とオフレコメモから読み解く一部始終

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「そりゃあ、これだけ検討したんですから、ざん定ということはありませんね」

   中国外務省は参拝方針を批判する談話を出したが、政府・与党としては、8月15日の公式参拝について近隣諸国に理解を得て、86年以降も続ける意向だったようだ。もっとも、8月15日の参拝直後の記者会見では、藤波氏は

「こういう形式でずうっといきますとかですね、あるいは秋・春の例大祭もお願いしますとかいうようなことをきちっとどこかで決めてあるというわけではありません」

などと煙に巻いている。

   ただ、オフレコメモでは、継続の意向が明確に語られている。例えば「8/14夜 安倍こん」のメモ。安倍晋太郎外相による懇談内容だとみられ、いわく「(アジア諸国へは)よく説明し、理解を求める必要がある。理解は得られると思う」。山崎拓官房副長官を念頭に置いたとみられる「山拓 懇談(各社)」のメモでは、

「今回の長官の談話は、公式参拝を今年限りのものにするんじゃなく、来年以降のやり方にも一定の方向付けをするものだ」

とある。8月15日の「藤森夕懇」のメモでは、

「靖国公式参拝はこの方式は今年だけのざん定でしょうか、今後もこの方式で、ということでしょうか」

という記者の質問に対して、藤森昭一官房副長官とみられる人物が、

「そりゃあ、これだけ検討したんですから、ざん定ということはありませんね。これからもこの方式で続けられると思いますよ」

と応じている。

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