世界新車販売ランキングで日産を抜く
スズキにとってインドは生命線だ。1981年にインド政府と合弁の「マルチ・スズキ」を設立。現地でインド市場に合った手ごろなクルマを開発し、ユーザーの支持を受けてきた。日本でヒットした軽自動車「アルト」をベースとする商品力と生産技術がインドでも生きた。その結果、スズキの自動車の世界販売台数の半数をインドが占め、売上高もインドが日本を上回ることになった。
2025年1~6月の世界新車販売ランキングを見ると、スズキは163万台で、日産自動車を上回り10位となった。スズキは中国・比亜迪(BYD)に抜かれ、前年の9位から後退したが、日産(11位となり、ベスト10から転落)を追い抜くのは初めて。スズキが販売台数で今日の地位を築いたのはインドの成長を取り込んだからに他ならない。