自民党の総裁選(2025年9月22日告示、10月4日投開票)に立候補を表明している茂木敏充前幹事長が2025年9月18日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、自らの政策について説明した。
今回の総裁選に出馬する人で、特派員協会で会見するのは茂木氏が初めて。通訳の英語を訂正する場面もあった。茂木氏は米ハーバード大学大学院を修了(公共政策)している。
通訳が訳すのを待たずに日本語で答える
特派員協会で日本語を話す人が会見する場合、(1)記者が英語で質問(2)通訳が日本語に訳す(3)登壇者が日本語で回答(4)通訳が英語に訳す、という流れが一般的だ。ところが茂木氏は英語で質問されると、(2)を待たずに日本語で答えた。
通訳の内容にツッコミを入れる場面もあった。そのひとつが、政治資金をめぐる問題だ。茂木氏をめぐっては、自らの資金管理団体が、使途公開基準の緩い政治団体「茂木敏充後援会総連合会」に寄付をしていたことが「抜け穴」だとして24年に問題視された。このことへの見解を求められた茂木氏は、
「法令に沿って、これ(寄付)についてはしっかりと報告をしてきたつもりだが、疑念が持たれることがあってはいけないということで、すでに、この後援会連合会についても、解散の手続きを取ったとったところだ」
などと回答。解散目的を通訳が「in order to avoid such scandals or doubts」(そのような不祥事や疑念を避けるために)と訳したところ、茂木氏は間髪入れずに「not scandal」(不祥事ではない)。会場からは笑いが起きた。
「あのー......、他の国と比べて」
日米関税交渉をめぐる話題でも、似たような場面があった。所感を問われた茂木氏は
「この15%というのは、なかなか国際的に見ても低いラインで決着することができたと思っている」
と回答。これを通訳が
「Regarding the tariff negotiations, 15% I believe is fairly low standard of percentage even seen from international community」(関税交渉に関して言えば、15%という割合は国際社会で見られる水準としてもかなり低い方だと考える)
と訳すと、茂木氏は補足の必要があると考えたのか、「あのー......、他の国と比べて」と発言。
通訳は「compared to negotiations with other countries」(他の国との交渉と比べて)と訳していた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)