三重県鳥羽市にある「鳥羽水族館」が2025年10月15日、YouTubeで配信している「ラッコ水槽ライブカメラ」で、配信に映り込む飼育係の姿をモザイク処理し、個人が特定できないようにすると発表した。従業員に対する「カスタマーハラスメントに該当すると判断される事例」が確認されたためという。鳥羽水族館では、10月1日に「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定している。「今後も、動画を通じてラッコたちの姿をお届け」鳥羽水族館は公式サイトで、「給餌中、動画に映り込む飼育係の姿を、すべてモザイク処理し、個人が特定できないようにいたします」と報告した。その背景として、「これまで、ラッコたちと飼育係とのトレーニングやコミュニケーションも動画の魅力の一つとしてご覧いただいておりましたが、一部当社の従業員に対する過度な言動や不適切な問い合わせを確認しています。これにはカスタマーハラスメントに該当すると判断される事例も含まれており、個人の尊厳と安全を脅かすものです」と説明。「この問題を踏まえ、スタッフのプライバシーと安全、そして心身の健康を守ることを考え、やむを得ず今回の対応を取ることにいたしました」とした。続けて、「今後も、動画を通じてラッコたちの姿をお届けするという基本方針は変わりません」と伝えた。現在、配信画面の右上には、「給餌中のみマスク処理をしています」という注意書きが記載されている。10月1日に「カスタマーハラスメントに対する基本方針」も策定また、鳥羽水族館は10月1日に「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定している。公式サイトによると、カスハラについて次のように定義している。「お客様、取引先、その他利害関係者からのクレームや言動のうち、要求の妥当性に照らして、その手段や態様が社会通念上相当な範囲を超え、スタッフの就業環境を害する行為を指します」具体的には、「暴力・精神的な攻撃」として暴行や脅迫、「性的な言動」としてわいせつな言動、盗撮、「プライバシー侵害」としてつきまとい、ストーカー行為などを挙げている。カスハラと判断される行為があった場合、鳥羽水族館は「組織として厳正に対処」する方針という。「原則として以降の対応はお断りし、必要に応じて警察や弁護士に相談するなど、法的措置を含めた適切な対応を講じます」としている。鳥羽水族館は、個別の取材は一律で受けていないとしており、今回の対策の効果などについても明らかにしていない。
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