認知症になったら何もできないという固定観念を見直す
では、なぜ受診に至らなかったのだろう。調査で最も多かった理由は「健康状態に自信があり、自分には必要ないと感じたから」(42.2%)だった。「面倒になったから」(11.8%)、「忘れていたから」(6.8%)、「お金がかかり、経済的に負担だから」(6.0%)といった理由が続き、「認知機能の低下を指摘されても、それを自分ごととしてとらえていないこと」のあらわれと分析されている。
もし認知症と診断されても、人生は終わりではない。誰もが暮らしやすい社会をめざして「共生社会の実現を推進する認知症基本法」が2023年6月に成立し、2024年1月に施行された。認知症になったら何もできないなどという固定観念の見直しを、患者や家族は期待していた。