認知症の予兆「軽く見ないで」...でも怖がらなくて大丈夫 早期対策で「Uターン」も

「怖がらなくても大丈夫」と「希望大使」は伝えたい

   しかし、2025年10月に内閣府が発表した「認知症に関する世論調査」では、「基本法が成立したことを知らない」が75.8%で、4人に3人を占めている。もし認知症になったらどんな不安を感じるかという問いには「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」(74.9%)が最多で、「できていたことができなくなるのではないか」(66.2%)も目立った(複数回答)。

   病気についてより広く知ってほしいと、認知症の本人が自分らしく前向きに生きる姿を発信する「希望大使」が、各地で講演などの活動をしている。厚労省や自治体が任命している。東京都品川区に住む「希望大使」の柿下秋男さんは「不安に思っている方には『怖がらなくても大丈夫』『楽しいこともたくさんできる』ということを伝えていきたい」と認知症冊子「しながわオレンジガイド」(令和7年度版)の中で述べている。こうしたメッセージが、受診をためらう人々にも届くことを願いたい。

(ジャーナリスト 橋本聡)

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