発達障害を抱える高校生の息子が大阪国際空港(伊丹空港)で体調を崩したため、空港内のカームダウンスペースを利用しようとしたところ、他社便の利用を理由に断られたとして、母親がXへの投稿で不満をつづっている。
空港利用者の窮状を前にして、関係者は、何かしらの配慮をすべきだったのだろうか。このスペースを管理・運営する関西エアポートに、こうした場合の対応について話を聞いた。
「ANAに乗る人は使えないです。ANAの方で聞いて下さい」
この投稿は、母親が2025年10月20日にXで行い、まとめサイト「togetter」が取り上げて、大きな話題になっている。
母親は24日、J-CASTニュースの取材に応じ、当時の状況を詳細に明かした。
その話やXへの投稿によると、母親は、息子を通信制高校のスクーリングに送り出すため、伊丹空港に出向いた。全日空(ANA)の航空機が発着する空港の南ターミナルに着いたが、息子分の航空チケットを受け取り、スクーリングの集合時間まで待とうとすると、息子が体調不良になってしまった。
そこで、母親は、気持ちを落ち着かせる場所として設置されているカームダウン・クールダウンスペースで息子を休ませたいと考えた。空港の公式サイトを見ると、このスペースは、日本航空(JAL)の航空機が発着する北ターミナルにあったため、母親は、息子をケアしながら向かった。しかし、やっと着いて、JAL便に乗る人が通る保安検査場の前にある出発口近くのスタッフに聞いたところ、次のような内容の説明を受けたという。
「カームダウンエリアはJALの施設なので、ANAに乗る人は使えないです。ANAの方で聞いて下さい」
母親は、疲れた様子の息子とともに南ターミナルに戻り、「お手伝いが必要なお客様」と表示された窓口で相談した。すると、カームダウンスペースではなかったものの、近くにあった2畳ほどの小部屋で息子を休ませてくれたという。
母親は、北ターミナルで他社便の利用を理由に断られたことについて、「空港HPに載ってるのに腑に落ちない...」「まさかそういう制限があるとは思いませんでした」と不満を漏らした。