注目、日経新聞の長距離運転ルポが暗示するもの
ホンダが唱える2050年のカーボンニュートラルとは、具体的にはEVと燃料電池車(FCV)の普及だ。ホンダはトヨタ自動車や独メルセデス・ベンツ、韓国の現代自動車なとど並び、EVとFCVの両方を開発し、実用化した世界でも数少ない自動車メーカーの一つだ。しかし、EVもFCVも解決すべき課題が多く、期待したほど普及していない。
なぜか。EVは通勤や買い物など近距離しかクルマを使わないドライバーにとっては便利で使いやすい。しかし、長距離を走るドライバーにとって、リチウムイオン電池を使い切った後の充電時間の長さ、不便さは、実際にEVを使ったことのあるドライバーでなければわからない。
日本経済新聞は2025年夏以降、面白いルポを掲載している。米テスラの「モデル3」を購入した記者が東京都心から自宅のある山口県まで往復約2100キロを走ったところ、充電回数は7回で合計3時間54分だった(25年8月28日電子版)。
続いて、この記者が日産「アリアB9」を借り、東京都心と徳島県を往復した。約1500キロを走り、充電回数は9回、充電時間は合計4時間20分だったという(25年10月1日電子版)。