クルマを取り巻く社会が変化する
今後25年で、クルマは脱炭素化とともに自動運転が進むだろう。ただし、完全自動運転となる「レベル4」は、限られた市街地などでタクシーやバスで実装できても、一般向けに普及するには時間がかかるのではないか。意外と現在の「レベル2」の時代が長く続くかもしれない。
世界的にみると、自動車メーカーの再編が進むだろう。日本では50年前に9社あった乗用車メーカーが、いすゞの2002年の完全撤退で8社となった。それが事実上、トヨタ・マツダ・SUBARU(スバル)・ダイハツ工業・スズキのグループと、日産・三菱自動車工業にホンダが加わる2大グループに再編された。
日産とホンダの関係は微妙だが、独立性の高かったホンダさえも海外を含め、アライアンスを組まなければ生き残れない時代だ。ブランド力のない日本メーカーは今後の競争で徹底を迫られるかもしれない。
クルマの売り方も変わるだろう。中国のBYDは11月4日、「楽天市場」に出店し、EVのオンライン販売を始めたと発表した。米テスラも「イオンモール」で購入できる時代だ。紙のカタログや取扱説明書も消えつつある。2050年のクルマを今から予言できないが、脱炭素化、自動運転とともにクルマを取り巻く社会が少しずつ変わるのは間違いない。
(ジャーナリスト 岩城諒)