2050年の自動車はどうなっているだろう EVの近未来は? メーカーの再編進んで日本勢の生き残りは?

e-fuelの実用化を目指す方が得策か

   EUはエンジン車であっても、次世代バイオ燃料や「e-fuel」と呼ばれるカーボンニュートラル燃料であれば新車販売を認める方針だ。e-fuelは再生可能エネルギーで取り出した水素と二酸化炭素(CO2)を合成して作る燃料で、技術的には生産が可能だ。ガソリンスタンドなど既存のインフラを活用できるため、コストダウンさえ進めば、普及する可能性はある。

   日本はe-fuelをめぐり、自動車業界、航空業界、石油業界などが政府と官民協議会を立ち上げ、開発を目指している。FCVは水素の生産とスタンドの整備がネックとなっている。これからFCV向けに水素スタンドを全国に整備するより、e-fuelの実用化を目指す方が得策だろう。

   一方、EVは次世代電池とされる「全固体電池」の実用化が期待されている。日本ではトヨタ、日産自動車、ホンダが一番乗りを目指しているようだが、果たして、いつになったらブレークスルーが起きるのか。

   中国では寧徳時代新能源科技(CATL)が5分間の充電で520キロ走行できるEV用電池を開発したと発表している。比亜迪(BYD)は5分間で400キロ走行できる新型EVのプラットフォームを開発したという。実用化すれば、全個体電池を待たず、EV普及のブレークスルーになる可能性がある。

   いずれにせよ、2050年は25年後だ。今から25年前は2000年、さらに25年遡ると1975年だ。過去を振り返ると、50年の変化は大きいが、25年はそこまでの変化はないともいえる。

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