ドイツ首相はエンジン車販売禁止の緩和を求める
もちろん世界にはEV先進国もある。北欧のノルウェーでは2024年の新車販売台数の約9割がEVになったという。これは優遇税制に加え、充電インフラの整備が進んでいるからだという。ノルウェーは水力発電が盛んで、再生可能エネルギーでEVを走らせることができるという点で、理想的だと思う。
しかし、日本と並ぶ自動車大国ドイツをはじめ、欧州各国のEV普及はそこまで進んでいない。日本以上に長距離移動が多い欧州では、ユーザーがEVの使いにくさを実感しているからだろう。
2035年までにエンジン車の新車販売を段階的に禁止するとした欧州連合(EU)も軌道修正に動きつつある。ドイツのメルツ首相はエンジン車販売禁止の緩和を求めている。フランス政府も「EUは一定の柔軟性を維持すべきだ」と主張するなど、欧州はEVへの完全移行は困難で、現実的でないと考えているようだ。