京都市伏見区で2025年11月10日、「熊らしき動物」の目撃情報があったが、その後、「調査した結果、目撃対象は熊ではなく人であったことが判明しました」とアナウンスされ、驚きの声が寄せられている。なぜ、人とクマを見間違えたのだろうか。クマの対応を担当する伏見区地域力推進室に詳しい話を聞いた。「調査した結果、目撃対象は熊ではなく...」京都府警犯罪抑止対策室のXは10日14時29分、伏見区向島黒坊町の田畑で「熊らしき動物の目撃情報」があったとして注意喚起した。その後、16時46分に「【解決】熊らしき動物の目撃情報【伏見区】」として、「調査した結果、目撃対象は熊ではなく人であったことが判明しました」と報告した。続く投稿では、「京都府内では、熊の目撃情報が多数ありますので、目撃した際は、決して近づかないで行政機関や警察に連絡してください」と呼びかけている。Xではこれに、「熊の着ぐるみでも着てたんかな?」「え~!!そんなに熊さんに似てたのかな?」「熊に間違えられる人ってどんな人ッ!!」「このパターンは初めて見たw」といった驚きの声が寄せられた。なぜ、人を「クマらしき動物」と見間違えたのか。J-CASTニュースは12日、伏見区地域力推進室まちづくり担当で、実際に目撃情報を受けて調査を行った担当者に話を聞いた。担当者によると、伏見警察署に「河川敷の堤防から黒いクマらしき動物が見えた」という目撃情報が寄せられたという。警察署から連絡を受けた担当者は10日昼過ぎ頃、別の担当課の職員と警察と一緒に目撃情報があった現地を訪れた。車に乗って足跡やフンなどがないか2~3時間ほど見て回ったが、「クマらしき動物は発見されなかった」とした。近くにいた農家にも聞き込みをしたが、目撃情報はなかったという。情報提供した目撃者と同じ場所から現場を見てみると...その後、目撃情報と同じ状況を作るため、1人が河川敷に堤防に立ち、もう1人が「クマらしき動物」が見えたという現場に立ってみたという。その距離は600~700メートルほどあったといい、堤防から見た現場に立った職員は「小指の第一関節くらい小さく見えた」とした。さらに、現場は畑だったが、雑草を抜いた後など農作業した形跡があった。そこで調査にあたった職員たちは、「ひょっとしたら、ここに立って(農家が)農作業されていたのをクマと間違えたのかな」と思い至ったという。しばらくして近くの農小屋からその畑の所有者が出てきたため話を聞いたところ、「午前中に農作業をしていた」と話した。さらに、その時の服装について「上下黒の服を着ていた」という。また、これまでも現場周辺ではクマやイノシシが出没したことはなく、取材に応じた担当者は「農作業で立ったりしゃがんだりしていたのをクマと見間違えたということで間違いないだろうという結論になりました」と説明した。担当者は市民に向けて、もしもクマのような動物を見かけたら、「まずは安全第一なので、近づかないでいただきたいです。そのような情報があったら、区役所や警察に通報いただければ対応いたします」と呼びかけた。
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