インフルエンザ流行でも「かかったことがない」という人がいる 「ウイルスに強い体質」だからなのか

免疫の働きは日々変化、「常に強い」わけではない

   これらを踏まえると、「自分はインフルエンザに強い」という自己評価は、医学的には正確とは言い切れない。

   多くの場合は、曝露量が少なかった、自然免疫の反応が早かった、あるいは炎症反応が穏やかだったなど、複数の要因が偶然重なって「発症しなかった」だけの可能性が高い。

   次に流行する株が変われば、同じ人でも発症することは十分あり得る。

   免疫の働きは、年齢・睡眠・ストレス・栄養状態などによって日々変化するため、「常に強い」わけではない。

   インフルエンザに「強い体質」があるとしても、それは固定された能力ではなく、状況と体調のバランスで変動するものだ。

   だからこそ、手洗い・換気・ワクチン接種・十分な休養といった基本的な感染対策は、誰にとっても欠かせない。

   「自分は強い」と慢心するよりも、「今回はたまたま運が良かった」と考える方が現実的で、安全な向き合い方だと言えるだろう。

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