立川志らく「日本人じゃないの?」SNS賛否→野党議員が一斉批判 「差別発言」「非国民扱い」

   落語家・立川志らく氏の発言がSNS上で賛否を呼んでいる。2025年11月24日放送の情報番組「ひるおび」(TBS系)で、台湾有事をめぐる高市早苗首相の発言を擁護し、高市氏を批判する人々について「日本人じゃないの?という気すらする」と述べていたためだ。

   一連の発言をめぐり、立憲民主党・小沢一郎衆院議員は25日にXで、「総理を批判する人々を非国民扱いするコメンテーターまで現れ、それをテレビ局が堂々と放映するようになった」と苦言。また、同党・蓮舫参院議員ら野党議員が批判する事態となっている。

  • TBS公式サイトより
    TBS公式サイトより
  • ラサール石井氏(2025年7月3日撮影)
    ラサール石井氏(2025年7月3日撮影)
  • 小沢一郎氏(2016年6月撮影)
    小沢一郎氏(2016年6月撮影)
  • TBS公式サイトより
  • ラサール石井氏(2025年7月3日撮影)
  • 小沢一郎氏(2016年6月撮影)

志らく氏「なぜ高市さんをそこで非難するのか」

   24日の放送では、日中関係の悪化による影響を特集していた。その中で、日本からパンダが消える可能性があるという話題に言及した。東京・上野動物園のパンダ2頭が26年2月20日に返還される予定だと説明していた。

   その後、番組MCの恵俊彰氏から見解を尋ねられた志らく氏は、「中には『高市さんの発言によってパンダが来なくなっちゃうからけしからん』という人もいる。高市さんの発言が明らかに間違っているならそう言われても仕方ないが、間違っているわけではない」と擁護した。

   続けて、台湾有事をめぐる高市氏の発言について、志らく氏は「最悪を想定して集団的自衛権を、と言って。また、総理大臣になって高らかにそれを言ったわけでもなく、安倍政権のころから繰り返し言っていること。それを立憲が引っ張り出させた」と見解を披露。さらに次のように主張した。

「なぜ高市さんをそこで非難するのか。中国が言ってくるのは分かるんです。ただ日本でもそういう人がたくさんいるということは、あなた方はなんで? 日本人じゃないの?という気すらする」

   一方、パンダが日本からいなくなる可能性があることについては「みんなが悲しむから本当に嫌なんだけど」としつつ、志らく氏は「これ仕方がないでしょ」と語った。そして「中国の嫌がらせですから。中国がいじめて、こっちはいじめられている側ですよ」と主張した。

   最後に、「10億円のレンタル料がかかるなら、ここはプラスに考えて、ほかの動物にその分を充てましょう。そういう風に考えていかないと、私はおかしな話になると思う。全部高市さんの発言のせいで、ってなっている流れはおかしい」と指摘していた。

ラサール石井氏「あきらかに差別発言」

   SNS上では、志らく氏の「日本人じゃないの?」という発言を中心に、一連の内容が賛否を呼んでいる。

   「これは『非国民』ワードと同じ」「偏向が過ぎる」「政権批判をする人は非国民と言うレッテルを貼るんですね」などと批判する声が上がる一方、「ド正論」「高市さんを責めるのは筋違い」「中国はパンダに政治を絡めてる」などと支持する声も上がった。

   こうした中、小沢氏は25日、「総理を批判する人々を非国民扱いするコメンテーターまで現れ、それをテレビ局が堂々と放映するようになった。ついにここまで来た」とX上で批判した。

   続けて、「コメンテーターの問題というより、それを疑問に思わないメディアの問題がより深刻」とした上で、「同じことを繰り返せば国民が苦しむことになる。皆がいい加減に目を覚ますべき」と訴えた。

   また蓮舫氏も同日、志らく氏の発言にXで言及。「存立危機事態」に関する高市氏の発言の問題点を指摘し、「その審議の是非ではなく、『日本人じゃないのか』といった感情的な言葉で議論を断ち切る空気づくりは、健全な民主主義にとって望ましいのでしょうか」と疑問視した。

   そして最後に、「見える形で議論し、国民に開かれた安全保障へ。 怒りではなく、希望で変えていきたいと思います」と締めくくっている。

   社民党・ラサール石井参院議員も24日にXで、「『本当に日本人か』はあきらかに差別発言であり、政府を批判するのは反日だと言うネトウヨレベルの妄言。戦時中の『非国民』と同じ。テレビのコメントで言うことではない」と猛批判。

   続けて、「庶民のエネルギー、権威への反骨精神を、大らかに表現する落語の精神とも真逆。令和の国策落語でもやるつもりか」と指摘している。

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