「この頑固さにいつ気が付いてくれるのだろう?」
浅野を指導したのは、23年シーズンの1年間だけだったが、浅野のルーキーイヤーについて性格を踏まえて、こう振り返った。
「力があるが、不器用なところがある。全部が全部合わせられないが、とにかく思い切りいく。『これはいいですね』と、原監督とも話していた。でも、『初球から行ってみようじゃないか。初球から振っていかないと1軍では食ってはいけないよ』とアドバイスをすると、『はい』と言うが、ことごとく初球を見送る。自分のこだわりがあるのだなと思った。練習でも『こういうのをやってみないか』と言うと、『はい』と答えるが、やらない。頑固なんだなと思った」
そして、浅野の「頑固さ」について、指導者としての見解を示した。
「この頑固さにいつ気が付いてくれるのだろう?『そのスタイルもありなんだ。ひとつ取り入れよう。ダメだったら捨てればいい』。これが1番大事。阿部(慎之助)監督のお父さんがよく言っていた。『野球は素直が1番』。これは本当にそう。浅野選手には、はっきり言って素直さがなかった」
一方、石塚の性格に関しては、浅野と同じ「頑固」と評しながら、両者の決定的な違いに言及した。