「ひめゆり学徒隊」のコスプレなどで批判が相次いだビジュアル系バンド「グランギニョル」が2025年12月17日、公式Xで活動を終了すると発表した。バンドは、10月から4人で活動を始めたばかりだった。問題になったのは、那覇市内で12月10~12日に予定していたライブ「ひめゆり学徒隊」の告知内容だ。「沖縄の歴史について学ばせていただいた」としたが...「ひめゆり平和祈念資料館」(糸満市)所蔵とみられる学徒隊の写真について、女学生らの目元を黒塗り加工したほか、音源に空襲警報を使っていた。一部のメンバーは、学徒隊を連想させるコスプレ写真や「大日本帝国万歳」とする軍服のような姿の写真をXに投稿していた。これらは、X上で取り上げられて批判を浴びた。グランギニョルの公式Xでは12日、多数の意見があったとして、沖縄公演の中止を発表したが、理由の説明や謝罪などはなく、さらに炎上する事態になった。翌13日になって、「本公演においては、グランギニョルなりに沖縄の歴史について学ばせていただいた上で、ライブコンセプトの一部として表現に取り入れさせていただきました」などとX上で釈明した。そして、「決して沖縄の歴史を侮辱する意図はございませんでしたが、その点について十分な配慮が欠けていたことを深く反省しております」と謝罪したうえで、活動休止を発表した。バンドの投稿については、「表現の自由は大切」などと理解する向きも一部であったが、批判の方が多い。「『攻めた表現』じゃ済まない」「不謹慎だろうに...」「沖縄の人たちの気持ち考えたことある?」などと書き込まれている。ひめゆり平和祈念資料館へ写真無断使用を直接謝罪その後、グランギニョルの公式Xは12月17日、メンバー4人の連名によるお知らせを出し、活動を終了すると発表した。「私たちは先日、ひめゆり学徒隊をコンセプトとした公演を行ったこと、写真を無断で使用してしまったことについて、ひめゆり平和祈念資料館へ直接謝罪をさせていただきました」としながらも、こうつづった。「ひめゆり学徒隊という極めて重く、沖縄の地に今も続く大切な記憶をコンセプトとして扱ったことで、ご遺族の方々、沖縄の皆様をはじめ、多くの方の心を傷つけてしまったことを、重く受け止めております。表現者としての判断、配慮、認識のすべてが未熟であり、決して許されるものではありませんでした」沖縄の関係者にお詫びしたいとしたうえで、「今回の事態を厳粛に受け止め、私たちの活動は本日をもって終了することを決定いたしました」と報告した。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
記事に戻る