「日本が悪い」と世界中で「告げ口外交」エスカレートさせる中国政府 「核持つべき」発言にすぐ付け入る

国内から目を背けさせるための日本批判

   そうした状況のなかで見逃せないのが、中国が他国に"日本批判"の説明を行う動きが見られることだ。

   表だったところでは、王毅外相が12月12日から16日にかけてアラブ首長国連邦、サウジアラビア、ヨルダンの3か国を訪問し、「日本の現職指導者が台湾問題で中国の内政に干渉することに断固反対する」と批判を表明している。

   また、水面下でも複数の外交ルートを通じて日本への非難を訴えているとの報道もある。

   この状況は、何を意味しているのか。「週刊新潮」2025年12月18日号で、東京大学大学院総合文化研究科教授の阿古智子氏は、中国の国内事情の影響を示唆している。

   中国では若者の失業率がとくに高く、国家統計局の統計では11月時点で16歳〜24歳の失業率が16.9%に達している。

   またGDPの3割近くを占める不動産業界の不況については、当局がSNSでの不動産悲観論を取り締まるという状況にある。

   そうした国民の不安の目を外に向けるためにも、日本批判が役立っている、という指摘だ。

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