法と秩序に基づく姿勢で応じていた矢先に
こうした中国側の強硬措置に対し、日本政府は事実に基づいて説明することを重視し、冷静さを保つ姿勢を崩していない。
日本政府は、個人への制裁に関しても公式な反応を抑制し、外交ルートを通じて対応する姿勢を示した。
感情的なエスカレーションを避け、法と秩序に基づく姿勢を強調することは、日本外交の一貫した特徴でもある。
そんななかで飛び出したのが、高市政権で安全保障を担当する官邸関係者の核兵器武装発言である。
12月18日、オフレコを前提にした非公式取材で記者団を前に、個人的な見解としたうえで「日本は核を保有すべきだ」とする趣旨の発言をしたと報じられた。
この発言に中国外務省の郭嘉昆・副報道局長は、
「危険なたくらみを露呈している」
と反応した。
この発言には、アメリカ国務省も、日本のこれまでの核軍縮・不拡散での役割をあらためて評価するコメントを出している。
オフレコとはいえ、対外的な場で発した軽率な言は、中国の挑発をより強める結果となる。
挑発に乗らず、あくまでも冷静に対応することが得策だろう。