高市政権の閣僚が厳しく突き放す会見での質問 フリー記者の持論展開が「オールドメディア」批判を招く

茂木敏充外相「質問の趣旨がよく分からない」

   高市政権における閣僚と記者の応酬は他にも起きている。

   12月23日の会見で片山さつき財務相は、ウェブメディアの男性記者からのアベノミクスへの評価を巡る質問に、「その前に我々が受け継いだ(民主党)政権の株価がいくらだったか、為替がいくらだったか思い出していただきたい。こういう状況が続いてたら、じゃあより良い経済になったとはありえないと思いますので」と述べた。記者が「それは13年前ですが」と口をはさむと、片山氏は、

「すいません、私まだしゃべっているんですけど。失礼ですよ」

と釘を刺した。

   また、19日には茂木敏充外相の会見でも、かみ合わないやり取りがあった。

   米政府が観光客にSNS利用情報の提出を義務付ける規制案を進めていることについて、ウェブメディアの記者が日本国憲法やSF小説を持ち出して持論を展開。茂木氏から、

「ちょっと質問の趣旨がよく分からないのですが、日本国憲法で『思想及び良心の自由』が保障されていると、これは日本の話だと思うんですけれど。日本国憲法が米国で守られるべきであると、こういう趣旨なんでしょうか」

と呆れられる始末となった。

   これら閣僚の会見動画はいわゆる「切り抜き動画」としてSNSで拡散。「また現れた迷惑記者」「記者をスカッと完全論破」「さつき姐さんが迷惑記者をぶった斬る」などと喝采を送るようなタイトルやテロップがつけられ、再生数稼ぎのコンテンツとして消費されている。

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