「安全を守るために動いた結果かかる費用」をカバーする
クマ関連の保険が注目されている理由は、出没件数の増加に加えて、対応にかかるお金と人手の負担が重くなっているからだ。捕獲や見回りを担う人の高齢化が進み、対応できる人数は減っている。一方で、1回の出動にかかる費用や責任は増えており、自治体や事業者が「何とかする」だけでは続かない状況になっている。
ファイナンシャル・プランナーの視点で考えると、こうした保険の特徴は「事故が起きた後の補償」ではなく、「安全を守るために動いた結果かかる費用」をカバーする点にある。事前に起こり得る支出を想定して、突発的な負担を分散する考え方は、家計管理や事業の資金管理と同じ発想だ。
クマ対策は、自然の問題に見えて、実際には、お金と人手の問題でもある。保険は、その負担を一部だけでも仕組みとして支える手段として、現場で現実的に検討され始めている。
【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。