「台所、お願いね」「まだ結婚しないの?」30代独身女性の実家帰省が苦痛 令和になっても価値観変わらず

帰省を終えて気づいた「これは休みじゃない」という感覚

   食事が終わると、そのまま片づけがはじまった。ここでも、役割分担は話し合われたわけではない。自然な流れで、田中さんが動き続けることになったのだ。

「ずっと台所に立っていました。誰かとゆっくり話す時間も、ほとんどなかったです」

   「ありがとう」と声をかけられることもなく、時間だけが過ぎていった。時計を見ると、想像以上に長い時間が経っていたという。

   そして、実家を後にする日。帰りの新幹線に乗った瞬間、張り詰めていた気持ちが一気にほどけたそうだ。

「やっと終わったと思いました。同時に、ものすごく疲れていたんです」

   混雑の中を移動した疲れだけでは、説明がつかなかった。

   実家で気を遣い続け、無意識のうちに役割を引き受けていたことへの消耗感が、後から押し寄せてきたと田中さんは振り返る。

「休みのはずなのに、『ちゃんと家事ができているか』を見られていた気がしていました」

   帰省そのものがつらいわけではない。それでも、「疲れ」として残すケースがあるのも事実だ。

「毎年、同じことを繰り返すのだろうか......」

   年末年始の帰省に違和感を覚えたとき、その感覚をムリに見過ごさず、距離感や関わり方を見直すことも必要なのかもしれない。

1 2
姉妹サイト