リベラル勢力が現実路線転換で政権を奪還したイギリス労働党
海外に目を向ければ、リベラル勢力が「常情」に寄り添った現実路線への転換が、有権者の信頼回復につながった成功例がある。イギリスの労働党だ。
かつてジェレミー・コービンが率いた労働党は、反核・反戦・再国有化といった急進左派路線を突き進み、保守党に歴史的大敗を喫した。当時の労働党もまた、一般有権者の「経済や国防への不安」を軽視していたことが指摘されている。
しかし、その後を継いだキア・スターマー(現首相)は、徹底した現実路線への転換を図った。彼はNATOへの支持を明言し、ウクライナ支援でも保守党政権と足並みを揃えた。さらに、無秩序な財政支出を戒め、財政規律を強調することで、金融市場からの信認を取り付けた。
日本において、リベラル政党が再び統治の選択肢として国民に認められるためには、平和という理念と、それを支える健全財政という責任をセットにした、新たな論理を再構築するべき時期にきているのではないだろうか。