CIブームは「広告会社が儲かっただけ」、「他社がやってるから」安易な横文字化に注意
国内への影響に関して、基本的に改称でユーザーが離れるリスクは考えにくいという。逆に、社名の長い合併企業などが散見される現状をめぐり、名前の持つブランド力や社内融和といった論点を踏まえた上でも「もう少し考えた方がいい」と述べた。18年に改称した「三菱UFJ銀行(旧・三菱東京UFJ銀行)」を例に挙げ、今では以前を知らない人の方が多くなったはずだとして、
「名前をコロコロ変えるのはあまり良くないが...顧客・人材・投資家に認知されやすい名前にするのは、それだけではダメですけど、初めの一歩としては良いこと」
と考えを伝えた。ただし、「コストがないわけではない。気軽に変えてみたいな話ではないはずなので、そこは要注意」とも。社名を変えれば看板の取り換えをはじめ、至るところで調整が生じるためだ。
ここで連想されるのが、バブル期の80年代に企業が続々と社名やロゴなどを刷新した「CI(コーポレート・アイデンティティ)ブーム」。清水教授は「結局それ自体があまり何の結果もなく、良い会社は良くなり、悪い会社は悪かったので広告会社が儲かっただけ」との感触で、横文字化においても、安易に「他社がやってるから」といった口車に乗らないよう懸念した。
コストを上回る価値を出す取り組みが求められるとし、「必ず変えたらポジティブということではない」「ちゃんとした理由や、その後のコミットメントがないと意味がない」「名前だけかっこよくても色々問題があるとか、全然業績が伸びないと、これも意味がない。経営者の自己満足になる可能性もある」と注意を促している。
とはいえ企業のブランド作りは大事なことで、ブランドをどういう形で浸透させるかは、名前が密接に関係するとみている。今後、国際化やインバウンドを含む海外顧客について経営上考える必要があるような企業で横文字化は進みうると推測した。