2024年 4月 19日 (金)

テーオーシーへのTOBもMBOも失敗した理由

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   不動産投資ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズが、ホテルニューオータニ系の不動産会社テーオーシー(TOC)に対して実施していた敵対的な株式公開買い付け(TOB)が失敗に終わった。ダヴィンチ側がTOB期限の7月23日直前まで成立に自信を示しており、成立すれば、上場企業に対する敵対的買収としては国内初めての成功例になるとあって注目を集めた。だが、結果的にはTOCの創業家一族による抵抗が奏功した。

TOCの経営陣による自社株買収(MBO)がきっかけ

   そもそもダヴィンチのTOBは、TOCの経営陣による自社株買収(MBO)がきっかけだった。
   TOCの経営陣は4月、1株800円でMBOを開始した。これに主要株主であるダヴィンチが「価格が安すぎる」として反発し、5月に1株1,100円で対抗TOBを始めたのだ。その株価がMBO価格を大幅に上回ったこともあって、MBOは失敗した。

   一方、ダヴィンチはその後、買い付け価格をさらに引き上げるなどしてTOBの成功に努めた。これに対してTOCの創業家などは株式を買い増すなどして徹底的に抵抗。TOCの取引先の金融機関などもTOBに応じず、ダヴィンチは成立条件だった株式45%の取得ができなかった。
   経営陣と買収者の「痛み分け」で終わった形だが、この一連の買収劇は株主の利益を軽視した安易なMBOに疑問を投げかけたといえる。

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