2024年 4月 18日 (木)

中国で外国人記者に警察官が「暴力」 当局「黙認」、取材現場でのルール違反主張

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   中国・北京で、取材中の外国人記者が警察官から暴行を受けたと報じられた。中国人の人権活動家の裁判取材を巡って、記者が殴られたうえカメラを壊されたのだという。

   2012年には朝日新聞の記者が暴行されたとして、中国側に抗議する事態となった。ルール違反の疑いがある記者は当局が容赦なく暴力で抑え込む、ということなのか。

「もみ合い」は珍しくないが度を超えた暴力は振るわない

外国人記者に対する暴行は北京で起きたと報じられた
外国人記者に対する暴行は北京で起きたと報じられた

   市民の権利と社会の改革を訴える「新公民運動」を掲げる許志永氏が公共の秩序を乱したとして逮捕され、2014年1月26日に北京の裁判所で懲役4年の判決を受けた。当日、海外メディアはこの様子を取材するため裁判所付近に来たが、警察側による妨害を受けたようだ。この日のNHKのニュースを見ると、記者が路上でリポートしている最中に複数の警官がやって来てカメラの撮影を邪魔し、うちひとりが「身分証を見せて。業務に協力しろ」と怒声を浴びせていた。

   1月27日付のTBSニュース電子版によると、裁判が始まった22日、外国人記者が取材中に警官に暴行を受けたそうだ。これについて中国外務省の秦剛報道局長は定例会見で、「取材現場で中国の規定を守り、現場関係者の管理にきちんと従えば、そうしたことは発生しない」「外国人記者は中国の法律や規定を守るべきだ」と強調したという。記事は、「当局による暴力行為を暗に容認する考えを示しました」と結論づけている。

   記事からは暴力の度合いや、どの程度のけがを負ったのかは分からない。ただ、「取材させろ」「だめだ」と記者と警官がもみ合いになり、その拍子に小突かれたといった程度は珍しくないと、ジャーナリストの福島香織氏は話す。警察側が取材を制限している場所でも、記者やカメラマンは少しでもよいポジションを確保しようとする。そこで小競り合いが起きるというわけだ。「北京は外国人が多いので、警官は相手が記者証を持っていると知れば度を超えた暴力をふるったりはしません。トラブルになれば後々面倒になるとわかっているのです」。福島氏自身、もみ合いには巻き込まれても暴行された経験はないと話す。

   中国には「中華人民共和国常駐外国報道機関及び外国人記者取材条例」がある。中国側は、在中外国メディアと記者に「合法的権利・利益を保障するとともに、それらが法に基づいてニュース取材・報道業務に従事するための便宜を図る」とする。一方で「中国の法律、放棄と規則を順守し、報道の職業道徳を順守し、客観的、公正に取材・報道を行わなければならず、その機関の性格又は記者の身分にふさわしくない活動をしてはならない」と求めている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中