経産省、核燃料サイクル維持で必死の巻き返し 日本原燃を認可法人化?推進側でも利害が分かれる

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   経済産業省が核燃料サイクル事業の維持に向け、必死の巻き返しに動いている。国の関与を強めて、使用済み核燃料再処理を担う日本原燃(青森県六ケ所村)の経営形態の変更や、事業に必要な資金の徴収方法の見直しなどを検討する方針だ。2015年内に結論を出し、来年にも関連法の改正を目指すという。

   原発反対・慎重派からの批判はもちろん、推進側でも利害が簡単には一致しないだけに、議論の行方が注目される。

  • 国の政策の整合性も問われる課題(写真は柏崎刈羽原子力発電所)
    国の政策の整合性も問われる課題(写真は柏崎刈羽原子力発電所)

建設費は当初見込みの7600億円から約2.2兆円へ

   同省は7月14日、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)原子力小委員会の「原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループ(WG)」(座長・山内弘隆一橋大大学院教授)で具体案の議論を始めた。

   核燃サイクルは、原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、再び燃料として利用する仕組み。再処理工場で分離し、燃料工場でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に加工する。資源の有効利用や高レベル放射性廃棄物の減少につながるとして、政府は「国策」と位置づけている。事業主体は、原発を持つ電力9社と日本原子力発電が大半を出資して1992年に設立した日本原燃という株式会社で、事業の実施に必要な費用を電力会社が積み立てている。

   ところが、この国策にそぐわない二つの事情が重くのしかかっている。一つは六ケ所村の再処理工場の完成のめどが立っていないこと。トラブルや原子力規制委員会の審査の長期化で、2014年10月、完成時期を2016年3月に先延ばしした。完成延期は実に22回目で、建設費は当初見込みの7600億円から約2.2兆円へと3倍に増え、さらに膨らむ恐れもある。

   第2に、その事業資金の確保への不安だ。再処理の事業費は再処理工場以外を含む総額で12.6兆円を見込む巨大事業で、いまは使用済み核燃料の「発生時」に電力会社が処理費を外部の資金管理団体に積み立てている。電力会社は、コストに利益を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」に守られ、再処理費用も安定的に積み立ててきた。

   ところが、2016年4月に電力小売りの完全自由化が実施されると、料金値下げ圧力がかかり、「競争者同士による事業遂行を担保できない恐れがあり、必要な資金を安定して確保できなくなる」(経産省筋)可能性がある。

   端的に言えば、再処理がうまくいかず、株主の電力会社が事業撤退を選び、使用済み燃料の行き場がなくなるような事態を回避しなければならないということだ。

国の政策の整合性も問われる

   そこで経産省が考えているのが、原燃の組織と資金確保方法の見直しだ。原燃の組織は、株主の判断で原燃の事業を縮小できないよう人事や事業計画を経産相が認可するよう改組するという考えで、高レベル放射性廃棄物の最終処分を担う原子力発電環境整備機構と同じ「認可法人」とする案が軸になる見通し。原燃自体を認可法人に改組するほか、新たな認可法人をつくって原燃に業務を委託する案もある。

   使用済み核燃料の処理費用については、現行が使用済み核燃料の「発生時」に積み立てる方式で、発電を始めてから使用済み核燃料になるまでの時間、処理費の支払いを猶予する形になることから、これを改め、発電時に電力会社が処理のための拠出金を原燃に支払う方式とする案が検討されている。

   こうした考えの根底には、「国策民営」という原子力政策が内包する矛盾を考慮し、これまでより国が前面に出ようという考えがあると言えそうだ。

   ただ、電機業界は複雑。電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は核燃サイクル事業を民間に任せ続けると「費用の回収ができなかったら『私は抜けます』と言うこともあり得る」と述べ、費用を国が一部負担するなどへの期待を隠さないが(6月8日朝日新聞インタビュー)、同時に、「電力業界も、認可法人化されて日本原燃の経営の手が縛られることには懸念も根強い」(業界関係者)。株式会社を認可法人にするのは異例なだけに、経産省内にも「官民の責任があいまいになる」「民間の活力を阻害する」といった慎重論がある。

   7月14日のWGでは、「国の関与をより強める取り組みが必要だ」との意見がでる一方、「(日本原燃を)つぶさないようにし過ぎるとモラルハザードになる」との懸念の声もあった。もちろん、反原発・慎重の立場から再処理を進めること自体への反対の意見もある。

   ただ、国が認可法人化してサポートしなければならないこと自体、「原発は経済的な電源」と言っている国・電力会社の基本認識からして筋が通らないとも言える。国の政策の整合性も問われる課題だけに、慎重な議論が必要だ。

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