2024年 4月 28日 (日)

「原発回帰」安倍政権 再稼働の行方(5)
原発を止めたままだと国民生活に影響出てくる
みずほ総研エコノミスト・徳田秀信さんに聞く

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

人件費の割合は総原価の8.2%しかない

―― その場合、消費者にどの程度出費が増えるのでしょうか。
徳田 直接的な影響が1世帯あたり月額1432円、間接的な影響が1117円です。ただし、電力各社は12年度に不要不急の設備投資2000億円、修繕費や諸経費7300億円を減らすとしています。そうなると、電力会社のコスト増は2兆2800億円で済むことになります。これを加味すると、直接的な影響は1031円、間接的な影響は802円になるとみています。また、国内総生産(GDP)は約0.5%減少すると試算されています。
   さらに、電気は必需品なので、低所得者への収入に対する割合が高くなる逆累進性にも注意する必要があります。間接的な影響にしても、仮に電気を大量に使う鉄道会社が値上がり分を運賃に転嫁すれば、低所得者に対する影響の方が大きくなります。

―― 東京電力に対しては「人件費を下げろ」「資産を売れ」といったリストラの徹底を求める声が根強い。値上げを避けるためこれは有効でしょうか。それとも「焼け石に水」でしょうか。

徳田 人件費の割合は総原価の8.2%なので、あまり減らす余地はないように思われます。やはり燃料費が大きい。資産を売ることは必要で、一時的に資金を得ることができます。ですが、ずっと続けられるものではなく、限界があります。
   また、今行われているコスト削減策にしても、無理をして設備投資を絞ったり、古い火力発電所を無理して使ったりしている面があるので、何年も続けられません。今後、電力会社ごとに数百億円単位のコストがかかってくる可能性もあります。
姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中