2018年 12月 10日 (月)

ティファニーの指輪を左手薬指にはめて、轢死した彼女は「行旅死亡人」になった

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   「彼女」の似顔絵が、警視庁のウェブサイトに掲載されている。中肉中背、髪は茶色のセミロング。小鼻の脇のほくろが少し目立つが、おとなしそうな、整った顔立ちの若い女性だ。年齢は20~40歳ほど、とある。服装の雰囲気からすると、筆者(32歳)とほぼ同年代かもしれない。

   2017年4月29日、夜21時前。涼しい風の吹く、晩春の夜。彼女の姿は、東京都羽村(はむら)市内の踏切にあった。ベージュのコートを羽織り、手には白のハンドバッグ。そして左手の薬指には、ティファニーの指輪が光っていた。

  • 羽村市で2017年4月29日起きた踏切事故。左は事故直後の現場(@pinkystake_cocさん提供)。右は羽村市からの行旅死亡人公告(官報より)。画像加工は編集部
    羽村市で2017年4月29日起きた踏切事故。左は事故直後の現場(@pinkystake_cocさん提供)。右は羽村市からの行旅死亡人公告(官報より)。画像加工は編集部
  • 江戸川区で行旅死亡人となったホームレス。発見場所に近い荒川河川敷には「死」の落書きが
    江戸川区で行旅死亡人となったホームレス。発見場所に近い荒川河川敷には「死」の落書きが
  • 荒川には「寝泊まり」を禁止する掲示があった
    荒川には「寝泊まり」を禁止する掲示があった
  • ある自治体で保管されている「行旅死亡人」の遺留品。ちょっと前に整理されたが、それでも段ボール箱4つ分にもなる。保管期限については統一の基準がなく、頭を悩ます自治体も少なくない
    ある自治体で保管されている「行旅死亡人」の遺留品。ちょっと前に整理されたが、それでも段ボール箱4つ分にもなる。保管期限については統一の基準がなく、頭を悩ます自治体も少なくない
  • ある男性の遺留品。キャッシュカードや預金通帳など、名前入りの品も多かったが、本人と断定できず、行旅死亡人となったという
    ある男性の遺留品。キャッシュカードや預金通帳など、名前入りの品も多かったが、本人と断定できず、行旅死亡人となったという
  • 先ほどの男性についての資料。年齢の項は「不詳」となっている
    先ほどの男性についての資料。年齢の項は「不詳」となっている
  • 羽村市の事故。筆者が現場を訪ねた日は、激しい雨模様だった
    羽村市の事故。筆者が現場を訪ねた日は、激しい雨模様だった
  • 事故現場に手向けられていた花束。供えたのは誰だろうか
    事故現場に手向けられていた花束。供えたのは誰だろうか

「本籍・住所・氏名不詳、年齢推定20~30歳代位の女性」

   新宿からJRでおよそ1時間の羽村駅。そこからさらに10分強歩いたところに、その踏切はある。車一台がようやく通るような、こぢんまりとした踏切だ。近所は住宅街だが、この時間ともなれば人通りもまれである。

   世間はゴールデンウイークの第一日目、薄曇りの過ごしやすい気候だった。連休初日を終え、都心から帰途につく人々を乗せた青梅方面行きの電車が、スピードを上げて、踏切に差し掛かる。

   鈍い音とともに、電車は緊急停車した。はねられた女性は、間もなく死亡が確認された。

   JR青梅線・羽村~小作間の踏切で起こった、一件の事故。取り上げた新聞はない。遅延を引き起こした「人身事故」として、わずかにネット上で、断片的な情報が伝えられたのみである。

   身元は分からなかった。遺留品は衣類とバッグ、そして左手薬指の指輪くらいだった。およそ5カ月後の10月4日、政府が刊行する官報に、羽村市からこんな公告が掲載された。

「本籍・住所・氏名不詳、年齢推定20~30歳代位の女性、身長160cm、中肉、茶髪セミロング、鼻の左横に米粒大のほくろ、左手薬指にティファニーの指輪、ベージュ色コート、黒色ズボン、灰色パンプス(25cm)
上記の者は、平成29年4月29日午後8時53分頃東京都羽村市緑ヶ丘×××、JR青梅線×××踏切内において列車に轢かれ死亡したもので、身元不明のため火葬に付し、遺骨は保管してあります。心当たりの方は当市福祉健康部社会福祉課まで申し出てください」(原文では番地なども表記。以下、必要に応じて伏せ字とする)

   「氏名不詳」の遺体――彼女は、行旅死亡人(こうりょしぼうにん)となった。

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