2020年 12月 2日 (水)

旧式火力9割削減でも「石炭頼み」は続く? そのカラクリとは

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   政府が二酸化炭素(CO2)を多く出す旧式の非効率な石炭火力発電所の9割を2030年度までに削減する方針を突然打ち出した。

   地球温暖化対策として欧州を中心に石炭火力を削減・廃止する動きが広がっている中で、日本は具体的な削減計画を示さず、批判されてきた。ようやく重い腰を上げた形だが、高効率の石炭火力は認める方針であるほか、具体的な手順、エネルギー構成との整合性など、実現への道のりは平たんではない。

  • 石炭火力発電の行く末とは
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世界では「脱炭素化」の大きな潮流

   梶山弘志経済産業相が2020年7月3日、こうした方針を発表し、「2030年に向けて(低効率な石炭火力の)フェードアウト(段階的な縮小)を確かなものにする」と述べた。

   国内の石炭火力は約140基。このうち114基が低効率の旧式で、国内の石炭火力による発電量の約半分を占める。「9割削減」は旧式100基程度を廃止することになる。経産省は近く有識者会議を設置し、発電事業者に休廃止を促す仕組みや、休廃止後に電力を賄う方法について議論する。具体的には、旧式の石炭火力の発電量の上限設定、早期に旧式火力を休廃止する場合の費用の一部助成などを検討するとみられる。

   東日本大震災以降、停止した原発の代替電源として液化天然ガス(LNG)や石炭火力の比率が高まった。特に石炭は原油や天然ガスと比べ安く、世界各地で産出されるので資源小国の日本でも安定して調達できるとして、経産省や産業界は「石炭火力維持」を譲らなかった。これが一転、旧式石炭火力の休止に踏み切った背景には、世界での脱炭素化の大きな潮流がある。

   石炭火力はCO2の排出量がLNG火力の約2倍と多く、温室効果ガス排出削減を進める国際的枠組み「パリ協定」に基づき、フランスが2022年、英国が25年、ドイツも38年までに石炭火発を全廃する方針を示すなど欧州を中心に多くの国が石炭火力の具体的な廃止目標を設定。その一方、日本は18年7月に策定したエネルギー基本計画で、非効率な石炭火力について、数値やテンポなしに「フェードアウトに取り組む」とするにとどまっていた。

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