仕事がない、ジェンダーギャップが大きい
「高校を卒業してそのまま地元にいたら、将来が決まってしまうということです。テレビCMに出てくるような会社でバリバリ働きたいと思ったら、都会に出ていかない限りその可能性はないのです」(長野出身の大手広告代理店勤務の30代女性)
地元に残れば、周囲から「結婚しないの?」「赤ちゃんはまだ?」と言われ続けるのも息苦しい。都会は生涯非婚もアリだ(女性の非婚率は東京がトップ)。仕事ない、ジェンダーギャップも大きい地元を離れ、自分の納得する生き方を求めて都会に向かう女性が増えているのは当然ではないか。
女性流出に自治体の危機感は強い。若い女性が減り続ければ、生まれてくる赤ちゃんも減り、過疎化が急速に進むからだ。民間有識者で作る「人口戦略会議」によると、全国の約4割の市町村で、2050年までに若い女性人口が半減し、消滅の可能性があるという。東京でも檜原村や奥多摩町がそうだ。