「無くしたら日本は滅ぶ」ラサール石井氏叫ぶも崖っぷちの社民党 参院選 街頭現場を見る

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   社民党にとって今回の参院選(2025年7月20日投票)は、「2%以上の得票」を達成しなければ「政党でなくなる」崖っぷちの闘いとなっている。共産党や公明党も得票を急激に減らしており、いずれも80年(旧社会党含め)、103年(共産)、61年(公明)という長い歴史をもつ政党が、新興政党にとって代わられる「政党の交代劇」が進行している。しかし「少数与党とバラバラ野党」のすくみ合いは、戦後80年続いた日米関係をどう再構築するか、などの根本議論をよそに、「物価高をめぐる給付と減税」論戦を続け、参院選は後半戦を迎える。

  • 社民党から出馬したタレントのラサール石井候補。7月4日東京・吉祥寺駅前で街頭演説に立つ(菅沼栄一郎撮影)
    社民党から出馬したタレントのラサール石井候補。7月4日東京・吉祥寺駅前で街頭演説に立つ(菅沼栄一郎撮影)
  • 日本共産党の田村智子委員長(2024年編集部撮影)
    日本共産党の田村智子委員長(2024年編集部撮影)
  • 公明党の斉藤鉄夫代表(2023年編集部撮影)
    公明党の斉藤鉄夫代表(2023年編集部撮影)
  • 社民党から出馬したタレントのラサール石井候補。7月4日東京・吉祥寺駅前で街頭演説に立つ(菅沼栄一郎撮影)
  • 日本共産党の田村智子委員長(2024年編集部撮影)
  • 公明党の斉藤鉄夫代表(2023年編集部撮影)

かつては首相も出した社民党

   7月4日の昼過ぎ。東京・吉祥寺駅前。タレントのラサール石井候補(69)が叫んでいた。

「日本で一番民主主義を愛している。社民党こそ愛国だ」
「社民党を無くしたら日本は滅ぶ」。

   社民は今度の参院選で、「2%以上の得票」「5人以上の国会議員」のいずれかの「政党要件」を満たさないと、政治団体に転落する。1945年の日本社会党の結党以来、自社さ政権(村山富市首相)の96年に社民党に名称変更したが、80年の歴史がある。実は、「政党陥落の危機」は、2019年以来続いており、いずれも2%をかろうじて上回る得票で、しかも前回の2022年は福島みずほ党首が自らの議席をかけ、かろうじて「政党」に踏みとどまった経緯がある。

   ラサール氏の横で、その言葉にいちいちうなずいていた大椿裕子さんも比例候補。2年前に名簿の繰上りで、参院議員になったばかりだ。聴衆は報道陣を除けば20人足らず。歩道の花壇に腰かけて演説を聞いていた初老の婦人は、「がんばってほしい。なんといってもここは、筋金入りの脱原発だから」。しかし、報道各社の議席予想は「0~1議席」と予断を許さない。

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