古いiPhoneで「タイミー」使えず「ホームレスになるしか」 支援団体訴え、背景にスマホ&スキマバイトの「インフラ化」

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就労している人の2人に1人が「スキマバイト」アプリを利用

   佐々木氏は、こうしたタイミーの対応について「セキュリティ上当然」であり、タイミーが悪いと言いたいわけではないとする。

   そのうえで、今回起きた問題の背景には、スマートフォンやスキマバイトアプリが「インフラ的な振る舞いがないのにインフラになってしまっている」という問題があると指摘した。

   トイミッケが主に支援を届けて(アウトリーチして)いる、ネットカフェなどで暮らしながら不安定な仕事をしている「不安定居住&不安定就労層」にとって、スキマバイトアプリは欠かせない。しかし、例えば、社会保障としての通信費の補助やスマートフォンが壊れた場合の公的支援、スキマバイトの労働環境や保険適用の整備といったことはされていない、もしくは不十分であり、インフラとして扱われていないと佐々木氏は指摘する。

   なぜ、「不安定居住&不安定就労層」の人にとってスキマバイトが必須なのだろうか。

   佐々木氏によると、トイミッケの24年度の相談件数のべ1329件、相談者数338人のうち、約7割がネットカフェなどで暮らす「不安定居住&不安定就労層=広義のホームレス」の人だった。トイミッケから支援につながった人のうち、就労している人の2人に1人が、タイミーをはじめとした「スキマバイト」アプリを利用している、もしくは利用していたと回答したと説明する。

   トイミッケが主に支援を行う「不安定居住&不安定就労層」は、ネットカフェなどで暮らしスキマバイトの仕事をしながら「平行して住み込みの仕事(地方の工場派遣など)を探されている方がほとんど」という。

「なんとかスキマバイト→ネットカフェでしのぎつつ、住み込み派遣が決まったらそこにいく。でも、大概長くは勤められないので(1年~短い人だと1ヶ月などの人も)退職と同時にまた住まいを失い、仕事が多いというのでまた東京に戻り、再度スキマバイト→ネットカフェでしのぎつつ住み込み派遣を探す」

   そのため、仕事の条件としては「『即日エントリーして働けて』『その日の現金を貰う』が必須」だ。仕事は限られ、「スキマバイトぐらいしか選択肢がない」という。

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