スズキ社長は「切磋琢磨していく」と受けて立つ
日本メーカーはどう対抗するのか。スズキの鈴木俊宏社長はこれまで記者会見で「非常にうれしい。BYDは本当に強い企業だと思う。軽自動車に目をつけてEVで参入してくることは、コンパクトカーがEVに対して非常に相性がいいということだ。切磋琢磨していくところで、いろいろ考えていきたい」と発言。「価格競争力も勉強させていただきながら、軽の市場を守っていきたい」と語っている。
日本の軽は精密機械のような「作品」だ。限られたスペースで極限まで広い室内を確保し、エンジンの効率化で低燃費を実現しながら、小型車にひけをとらない走りと衝突安全性を満たす。そんなクルマを最廉価100万円前後で発売できるメーカーは、これまでダイハツやスズキなどに限られた。そこにBYDが参戦する2026年後半は、新たな軽の戦国時代の始まりとなるのかもしれない。BYDの実力はもちろん、日本メーカーの真価が問われるのは間違いない。
(ジャーナリスト 岩城諒)