技術的な優位性はなく、単なる懐古趣味
それもそのはずで、ラーダを生産するアフトワズは1966年、伊フィアットとの協業で設立したVAZ(英語名Volga Automobile Works = ヴォルガ自動車工場)に遡る。ラーダ2103は「フィアット124」をベースに旧ソ連で大量に生産された国民車という。
そんなラーダに古典的な魅力を感じるのはモデルチェンジが少ないためで、懐古趣味の領域を出ない。最新のラーダにしても、日本車や欧州車と比べて技術的優位性や競争力があるわけではない。
事実、ラーダを擁するアフトワズは経営不振に陥り、2008年に仏ルノーの出資と日産自動車の技術支援を受けた。日産、ルノー、アフトワズの3社は2015年に共同購買組織を発足させるなど協業を進めたが、ルノーはウクライナ侵攻後、保有していたアフトワズの株式の約7割をロシアの政府系機関に売却。日産も現地生産から撤退し、日産のサンクトペテルブルクの工場をアフトワズが活用することになった。