相続放棄は死後の短い期間しかできない 手続きサボって父の「数百万の借金」を丸々かぶった三男の末路

相続放棄で家族の金銭リスクを最小限に抑える

   相続放棄を確実に行うには、まず相続開始を知った時点で、期限を確認しよう。また、家族間で手続きの進捗状況を共有して、漏れがないように注意したい。

   複雑な場合や書類の不備が心配な場合は、弁護士や司法書士に相談しよう。準備をサポートしてもらうと安心感がある。家庭裁判所に提出する書類は、記入ミスや提出遅れがあると受理されないため、早めの準備がカギになる。

   FPの立場から言えば、相続放棄は単なる手続きではなく、家族の金銭リスクを最小限に抑える重要な手段だ。借金の内容が不明確な場合は、財産調査を行い、必要書類を正確にそろえることがポイントだ。

   なお、やむを得ず期限を過ぎた場合は、限定承認の活用や債権者との返済交渉を検討できる。家族が無用な負担を抱えないように、専門家へ早期に相談するのがおすすめだ。すると、相続による金銭リスクを最小限に抑えて、家族の安心につながるだろう。



【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。

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