自民・維新協力の条件「議員定数削減」は簡単にはいかない 「企業献金」問題先延ばし批判につながる

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

「死票」を少なくするために比例区を組み合わせた

   私は新聞社の政治記者として、1994年導入の小選挙区比例代表並立制を審議した第8次選挙制度審議会の取材を担当した。当時、小選挙区制は二大政党制を進め、政権交代可能な体制を作るとされた。しかし、この制度は一方で、「死票」が多く出る欠点があるため各党の得票率に応じて議席が配分される比例代表制を組み合わせる制度が提案された。最終的には「小選挙区6対比例代表4」の比率とされたが、小政党に不利になりにくく得票率を重視する立場から「5対5」の主張も強かった。

   当時、自民党総裁として同制度の導入を決めた河野洋平氏は後に、「(同制度は)失敗だった。民意をもう少し幅広く反映することが必要」と話していた。それほど、選挙制度改革は難しく、いかにして民意をより反映するかは今も重要な課題である。

   戦後続いてきた「中選挙区制」が「小選挙区比例代表並立制」(1994年)に代わった時、議席比は「小選挙区300、比例区200」だった。これが、自民・自由連立政権(1999年)当時に「比例区で50削減」でいったんは合意したが、公明党が連立に入る過程で「20削減」となった。残りの30議席は、「小選挙区などを中心に」削減する、とされたが後にうやむやになった。

   戦後の定数是正で、人口増減に伴う調整を除くと、この時の20減が最大だ。今回は、維新の当初提案文書では「国会議員の一割を目標に削減」となっていたが、途中から「衆院比例の1割」となり、小選挙区の削減は消えた。

姉妹サイト