高価格帯カフェチェーンで明暗 コメダは過去最高益、星乃珈琲店かかえるドトール・日レスHDは苦戦のワケ

明暗を分けたポイントは「独自性」と「ファンづくり」

   同じ高価格帯のカフェチェーンでありながら、コメダと星乃珈琲店の業績に差が生まれた要因は何か。

   25年2月末時点で1055店舗を展開する「コメダ珈琲店」は、1968年の創業以来、名古屋式のフルサービス喫茶店として、ゆったりとしたソファと広いテーブル、無料でパンやゆで卵などがつくモーニングサービス、そして「長居歓迎」で「くつろぎ」を提供してきた。さらに、「シロノワール」に代表される独自メニューや季節限定商品、人気キャラクターとのコラボなど飽きの来ない話題作りにも積極的だ。

   こうした独自の「おもてなし」と「空間づくり」、そしてブランド体験の創出が、物価高の中でも、客単価の上昇につながりやすくなり、客足を伸ばす強い優位性を確保したといえるだろう。

   一方、星乃珈琲店は落ち着いた雰囲気や、品質重視のハンドドリップコーヒーで差別化を図る本格志向という強みはあるものの、こうした高品質路線はコスト増に直結する可能性がある。コメダほどの独自性や話題性を打ち出せていない中で、原材料高や人件費増の影響をより強く受けて業績が圧迫されているのかもしれない。

   高価格帯カフェ市場では、単に高品質な商品を提供するだけでなく、独自の世界観やブランド体験の創出、そして熱心なファン層の獲得が、生き残りのカギを握っている。

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